群馬県高崎市の築年数10年未満の戸建て住宅より、サッシからの雨漏りがあるということでお問い合わせいただきました。(2020/05/18 瑕疵担保責任保険適用案件)

今回、雨漏り修理の依頼を下さったのは、まだ築10年経っていないのに、雨漏りがしている、というお宅です。

日本では、2000年より、基本的に、住宅の大切な部分に瑕疵があった場合、10年は責任をもって建てた会社が直す、という「住宅の品質確保の促進等に関する法律」が施行されています。

さらに、2009年に、瑕疵担保履行法というのが制定され、今、建っている築10年以内の建物については、すべて建てた業者が直すか、保険が下りて保険で直すことができる、という制度が整っていますので、特に問題がなければお客様には費用負担がない状態で、雨漏り修理をさせていただくことができます。

1.散水試験で雨漏り箇所の特定をします

伺ってみると、こんなに素敵なお宅で、こんなお宅が雨漏りしているなんて、という状態です。

しかし実は、こういう住宅に関しては、デザイン性は高く、かっこいいのは間違いないのですが、庇等がほぼ無いに等しく、サッシ類がすべてむき出しになっていることから、雨漏りしやすいかどうかというと、比較的雨漏りしやすいデザインの住宅、ということはできると思います。

まだ、これだけ新しいお宅で、サッシからの雨漏りということなので、原因がわかりやすいように、散水式試験を行わせていただくことにしました。

外の水道からポンプに水を供給させていただき、さて、試験開始です。

こうやって、怪しい箇所に根気よく高圧で水をかけていきます。

おっと、私の足が写ってしまっているのは……見ないでください……。

 

原因がわからなくなりそうな場合には、こうやって一部をふさいで水をかけていくことで、原因の場所の特定をしやすくします。

また、こうやっていくことで、お家のオーナー様にも目で雨漏り箇所を確認していただくことができます。

サッシの横からかけた水が、サッシの中を通ってサッシの下から出てきました。

これは、サッシの中に水が入ってしまっている証拠です。

サッシの下から出るだけならまだ許せるかもしれませんが、家の中にも水が漏ってます。

築後間もない家で、これは辛いですね。

しかも、同じサッシを使用している場所3か所もあり、すべて同じように雨漏りがしています。

これから、見積もりを出させていただくのですが、このサッシを交換することになるかと思いますので、それなりに大掛かりな工事になりそうです。

2.「住宅の品質確保の促進等に関する法律」と「瑕疵担保履行法」

この機会に、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」と瑕疵担保履行法について、お伝えします。

「住宅の品質確保の促進等に関する法律」は、2000年4月に制定されたものです。

1995年にPL法が制定され、その頃から、様々な製品に関する保証が見直されてきて、2000年には、住宅にもその保証が適用された、ということで、「住宅版PL法」とも呼ばれています。

それまで、新築の家であっても、2年程度の瑕疵保証しかされていなかったものが、一気に10年に広がったわけですが、それでも、「会社が無くなってしまえば保証はできない」ということで違法とも言えるような雑な建て方をして、倒産してしまうことで保証をしないで逃げてしまうというような悪徳な業者ありました。

その中で社会的な事件にもなったのが、 2005年に発覚した姉歯建築士によるマンションの耐震偽装事件です。マンションのオーナーは、マンションの販売会社、建築会社に保証を求めたけれども、両方とも倒産してしまったため、最終的に、マンションのオーナーは泣き寝入りするしかなかった、という事件です。

そこで、2009年に瑕疵担保履行法が施工され、すべての住宅において、供託金を積むか、保険に入らなければならない、ということになったのです。

おかげで、新築の家を建てたオーナーが辛い思いをして泣くことは少なくなりました。

 

3.実際の現場はどうなっている?

実は、建築後10年ちょっとして、屋根雨漏りのお医者さんに雨漏り修理をご依頼くださったお客様のご自宅を見せていただいたときに唖然としたことがあります。

その住宅は、大きな地震にも耐えられるような耐震保証を謳われている住宅で、パッと見はとても立派なものでした。間違いなく、通常よりもかなり割高なお金を出して、その住宅を建てられたのだと想像されました。

ところが、実際に雨漏り修理をする過程で壁の内部を拝見させていただく機会があったのですが、実はその内部は、耐震性を上げるために、既定ではこれだけビスを打たなければならない、とされていたビスの半分もビスが打たれておらず、耐震性が高いどころか、耐震性など謳っていない一般の住宅よりも弱いであろうと考えられ、そこまで強くない地震であっても、家が崩れてしまうと感じられました。

そしてもし、それをきちんと解消しようとするならば、家全体をバラシてやり直す、くらいの大規模な工事になることが予想されました。

そんなことも実際にあるわけですから、10年の瑕疵保証があったとしても、それが正解かどうかは分かりません。

しかし、少なくともある程度の強度の家にしなければならないことは間違いなく、供託金を一軒ずつ積んでいくと相当な負担になりますから、基本は保険に入ることになります。

保険に入るのであれば、保険の担当者がきちんとテストをしてから保険がかけられることになるので、そういった意味でも、一生に一度の家を建てる、という一戸建てのオーナーさんにとっては、本当にありがたい法律だと思います。

4.過去の雨漏りによるお問い合わせ事例

ただ、その保険がきちんと使われるのかどうか、というと、また別で、これまで何度となく遭遇してきたのが、こんなケースです。

新築当時から何度となく雨漏りしてきました。 建ててもらった業者にお願いすると直しに来てもらうのだけれど、その時は少し収まっても、毎年雨漏りがして、毎年のようにその業者に電話して、直しに来てもらってました。 でも、数年経つうちに、なかなか来てもらえなくなってしまって仕方なくこちらにお電話したのです。

こんな電話が年に何回もなっていました。

2020年の今は、瑕疵担保履行法が施行されてから10年を超えたので、そんな住宅があれば、保険を使うこともできますので、まだ泣き寝入りする必要はありませんが、数年前までは、直す姿勢さえ見せていれば、ある程度は許されるところもあり、あまりに辛いと思ったオーナーが私たちに連絡をしてきて、最終的に弁護士が中に入って決着をつける、というようなこともあったのです。

5.瑕疵担保保険の使用状況は

この保険を使用したいという申請のうち、原因が雨漏りによるものが81%を占めていました(平成30年3月までの累計・国土交通省発表)。

また、保険金の平均は110万円程度、となっております。

今回のお宅も、保険申請の例にもれず、ということになりそうです。

 

このお宅も、もしあと数年、建てるのが早かったら、どうなっていたか分かりません。
良かったですね。

しっかり修理させていただきます。